愛知県江南市議会議員 山としひろ

視察・研修報告

視察・研修報告

このページでは随時、視察や研修の報告を掲載していきます。

今後も更新していきますので、よろしくお願いいたします。

公共施設の最適経営

2012年7月19日

 2012年7月19日(金曜日)、PHP研究所(東京都千代田区)で開かれた「地方議員のための政策力アップ講座 『直営』対『委託・指定管理』-不毛な対立を超えた公共施設の最適経営-」に参加したところ、所感は以下の通り。

(1) 近年、ほとんどの地方自治体が指定管理者制度を導入している。

制度の根拠法は地方自治法第244条の2である。しかし、総務省から導入に係る詳細な通達が発せられたことはほとんどなく、その対応は自治体に丸投げされた。

制度の趣旨は、コストを削減するとともに、民間の創意工夫を活かし行政サービスの向上を図ることにある。ところが、自治体の厳しい行財政事情を背景に、コスト削減を主眼とした導入事例が数多く見受けられる。

安易に「安ければよい」と考えて、コスト削減の手段に使うことは明らかに間違っている。問題が起こった場合、最終的に責任を負うのは自治体であるという認識が欠如しており、行政の責任放棄と言われても仕方ない。

制度を生かすためには、行政サービスの内容を分析し、それを担うのにふさわしい主体は誰かをきちんと議論されたい。

江南市においても、制度を導入してから5~6年経過している。目先のコスト削減にとらわれることなく、「市民協働」の視点も取り入れ、行政サービスの質のさらなる向上を目指した議論を展開されたい。

(2) ハコモノは地方財政の「時限爆弾」と言われている。財政危機が叫ばれる中で、臨時財政対策債(赤字地方債)に対する国の交付税措置が、今後確実に行われるか不安視されている。また、高齢社会の進展により労働力人口が減少し、市民税も減少する見通しである。さらに、子どもの数が増えない、景気がなかなか上向かないなど、社会経済情勢が大きく変化している。

このような現実を踏まえると、ハコモノをこれまでの規模で維持・更新することは困難である。そこで、公民連携による新しい管理のあり方を追求し、真に必要とされる行政サービスの確保に努められたい。

これまでハコモノは「行政財産」として各部署において縦割りで管理されてきた。そのため、時代の変化に柔軟に対応することができなかった。これからは「条例で使用目的が規定されているので、他の用途には使えない」といった考え方は通用しない。ハコモノは「行政財産」ではなく、「市民のための財産」という発想を持つべきだ。

特に、学校施設をどのように有効活用するかが問われる。学校施設の稼働率は16.8%と非常に低いという試算がある。今後、少人数学級が拡充されるのか気になるものの、すでに都市部、地方を問わず、相当の「空き教室(余裕教室)」が存在し、今後も増え続けるであろう。その面積は公民館の面積を上回っている。よって、例えば、公民館としての機能を兼ね備えるなど、学校施設の複合化・多目的化について検討されたい。

「照明と空調の更新で大幅な節電&経費節減を」

2012年5月11日

研修報告書

2012 年5月11 日(金曜日)、ウィンクあいち(名古屋市中村区)で開かれた自治体・教育機関対象セミナー「照明と空調の更新で大幅な節電&経費節減を」(主催:電気をカエル計画)に参加したところ、概要と所感は下記のPDFファイルをごらんください。
研修報告書(PDFファイルが別ウィンドウで開きます)

「社区」から自治の実践学ぶ

2011年11月

中国視察01

 2011年10月12日から18日まで、社民党の青年自治体議員3人(山登志浩・愛知県江南市議、佐々木允・福岡県田川市議、市来伴子・東京都杉並区議)が中国を訪れた。日中両政府間の青少年交流事業の一環として組織された「2011日本青少年訪中代表団」の一員として、各界の青少年約460人と共に中国政府から招聘(しょうへい)され、友好親善を深めてきたもの。

 代表団は13日、北京で天安門広場と紫禁城を見学。同日夜、中国側の受け入れ団体「中華全国青年連合会」主催の歓迎宴で熱烈な歓待を受けた。
翌14日から4コースに分かれ、地方都市を訪れた。3議員は、政党関係者や中央省庁官僚らと共に河南省の省都鄭州市に移動し、同日午後、「鄭州二七区亜星社区」を視察した。

中国視察03

市民サービスの提供体制が確立

 中国の地方行政組織は、「市」→「区」→「街道」の三層構造から成っており、「社区」はいくつかの街道が集まって形成された中国独特のコミュニティである。亜星社区は2003年に民間投資会社が開発に着手し、07年に完成。74棟もの高層マンションが林立し、4,456世帯、約1万人が暮らしている。学校、幼稚園、病院、商店が併設され、風車を利用した自家発電設備も備わっている。

 社区には14人の専従職員が常駐しており、ほとんどが共産党の社区党委員会役員を兼ねている。医療、福祉、介護、環境衛生、安全、教育、就労などあらゆる市民サービスの提供体制が確立している。さらに、ボランティア活動や趣味のサークル活動が盛んに行われており、市民の日常生活は社区なしには語れない。

 社区の発展は改革開放政策によるところが大きい。市場経済が導入され、職場を通じて一元的に市民サービスを提供することが困難になったことから、社区がそれに取って代わったとされている。

 一行は幹部職員や住民代表と懇談した。その中で、党書記は「儒教思想などの伝統文化を尊重しつつ、将来を見据えた計画的なまちづくりを行っている」と力強く語っていた。彼らの話しぶりや表情から、一人ひとりが自治の担い手であるという誇りと気概を感じた。また、格差・貧困や少子高齢化などの社会問題が山積する中で、多様な市民ニーズに末端レベルでどのようにこたえるか、腐心しているのが印象的だった。

中国視察01

「身近」なコミュニティこそ

 日本と中国とでは社会・政治制度が根本的に違うので、社区のしくみを日本の地方自治制度に応用することはできない。しかし、今後の日本の地方自治のあり方を考える上で示唆に富んでいる。

 昨今、「地域主権」「道州制」「都構想」の議論が活発になされているが、勇ましい発言を繰り返す首長ばかりが目立ち、市民の存在が忘れられている。社区のような身近なコミュニティ(自治組織)こそ市民自治の原点であり、市民参画や民主的意識が醸成される可能性を秘めていることを確認することができた。

<社民党機関紙「社会新報」 2011年11月23日掲載>

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